赤岳・横岳・硫黄岳

南八ヶ岳 名峰の縦走へ



山梨県から長野県にかけて、南北全長20km以上にわたって連なる八ヶ岳。
今回は南八ヶ岳の名峰 赤岳・横岳・硫黄岳を縦走する映像をお届けします。

標高2,899mの八ヶ岳最高峰・赤岳は山頂が岩に覆われいて、
その山肌が赤いことから「赤岳」との名称がついたとされる山です。
北方と南方に分かれ、南方側が山頂、北方に頂上山荘があります。
頂上に近づくにつれ急になっていく傾斜や、鎖場の連続など危険と隣り合わせの箇所も多い、中・上級者向けの山となります。

横岳は赤岳の北側に位置する標高2,830mの頂で、いくつもの峰塔で形成されており、
多くの岩登り箇所もありますが、山頂からは大迫力の赤岳の眺めが楽しめます。

硫黄岳は標高2,760mのなだらかな山頂に、
突如として現れる大迫力の爆裂火口が特徴で、
南八ヶ岳の中では比較的登りやすい、初心者におすすめの頂です。

今回は美濃戸口から日帰りで3峰を縦走する動画となります。
本来は何泊かしながらゆっくり登るのがおすすめのルートです。

登山口となる美濃戸口までの道路は途中からダートとなっており、アウトドア向けの車でない場合はアクセスが難しい可能性があります。
不安な場合は歩く距離は長くなりますが、舗装路終端の八ヶ岳山荘周辺に停めていくことをお勧めします。
なおお盆などのハイシーズンは、赤岳山荘ややまのこ村などの駐車場は朝早くから満車になってしまうことが多いらしく、
事前に電話にて空き状況を確認していくことをお勧めします。

美濃戸口から行者小屋までは二つのルートがありますが、登りは南沢ルートを選択。
それなりの急登もありつつ、比較的穏やかな沢沿いの路を進みます。
行者小屋を越えると、傾斜がかなり急になってくるため、小屋でしっかり休息をとりましょう。

行者小屋からは文三郎尾根に向けて進みます。
森林限界が近づくにつれ、かなりの勾配の階段やガレ場の急登が次々と現れます。
ガレ場には浮石もかなりあるため、落石に注意しながら進みましょう。
森林限界を超えると右手に阿弥陀岳、後ろに南八ヶ岳の名峰の絶景が出迎えてくれます。

文三郎尾根分岐に至ると、南アルプスや御嶽山・北アルプスなどの名山がその姿を見せてくれます。
文三郎尾根分岐を越えるとヘルメット推奨の岩場と鎖場の連続となります。
槍ヶ岳レベルとまでは言いませんが、かなりの危険が伴う箇所と思います。
心して臨みましょう。

岩場を登り終えると赤岳の山頂に到達です!
赤岳は風が強いことで有名らしいですが、動画撮影日は風もなく、雲は多いものの360°の最高のパノラマを堪能できました!

山頂の景色をたっぷり堪能したのちに、横岳に向けて下っていきます。
こちらの路も岩場自体は文三郎尾根ほどではないですが、ガレ場が多く体勢を崩しやすいので、油断は禁物です。

行者小屋への分岐である地蔵の頭を直進し、横岳に向かいます。
横岳までの路も岩場や鎖場が多く危険が伴うため、
体力に自信がなかったり岩場に不慣れな方は、無理をせず撤退を視野に入れながら進みましょう。
なお赤岳方面からに比べ硫黄岳方面からの方が危険な箇所は圧倒的に少ないため、
横岳を目指すのが目的の方は、硫黄岳から目指すことをお勧めします。

赤岳から横岳までの間にはいくつものピークがあり、
何度も「山頂到達!」と思ったらまだまだ山頂は先だった…という罠をくらい、
何度か心が折れそうになりました(笑)。
気持ちを強く持って進みましょう。

横岳山頂から赤岳の勇壮な眺めを楽しんだ後は、引き続き硫黄岳に向けて北上していきます。
山頂からすぐに岩場がありますが、そこさえ超えてしまえば危険な箇所は終わり、
岩場の多かった景色から一転、穏やかで展望の開けた景色が広がります。
そこまでの道のりとは対称的な穏やかな稜線歩きを楽しむことができます。

硫黄岳山荘を越えて最後の登りを終えると、目の前に硫黄岳の爆裂火口が現れます。
それまで見てきた硫黄岳の穏やかな山容からは想像もできないような、
火山のエネルギーを感じられる大迫力の景色に、心が震えます。

そして振り返れば赤岳がはるか遠くに。
ここまでの長い縦走路を踏破したことに達成感を感じずには入れませんでした。

硫黄岳からの下山はかなり脚に応えました。
獲得標高約1500m、総距離16.3kmのかなり長い行程で、
もし行かれる方は今回のような日帰りではなく、途中で山小屋などに泊まって
ゆっくり八ヶ岳の魅力を堪能することをお勧めします!

このコースは多くの危険な箇所もありますが、絶景を思う存分味わうことのできる最高の山行です。
もし少しでも興味を持たれた方は、十分な準備をした上で、ぜひ行ってみてください!

赤岳・横岳・硫黄岳

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